冒頭のassai sosutenuto
盛り上がって静まるという
『クレッシェンド-デクレッシェンド』
ではいけない
高まるのは緊張
段々と張りつめてきて
これ以上に拡がったら
弾けて
飛んでいってしまいそうな危うさを秘めた
クレッシェンドが必要
極限の緊張を続けられないがために生じる
デクレッシェンドがあって
これで一つの物語になる。
『ジャジャジャじゃーん!!』の悲壮さには、
まだ
『人の世』
との関わりが感じられる
『運命』は
自分を取り巻く世の中からの
迫害としてドアを叩いてくるわけだし
2楽章がもたらす安らぎは
苛まれる人(ベートーベン?)に
寄り添い
慰みを与えてくれる
『誰か』
の存在を想わせる
まだ
この世に対する『希望』を
すなわち
自分の『孤独』が
それを理解してくれている人によって
癒されることへの期待を
抱いている様に見える
それに比べて
作品132に見られる
『孤独』は
もっと徹底している
言ってみれば
誰一人居ない空間に
ポツンと置かれてしまったような
何ものも無い
温度さえもない空虚
叫んでも暴れても手応えは無く
地団駄を踏むことさえ出来ない
後期のベートーベンには、
求めても求めても得られなかったことを受け入れることで
やっと手にすることができた
心の平安を感じさせるものがある
同時にそれが
彼の哀しみでもある
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